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新しい憲法を制定する推進大会 安倍総裁あいさつ(全文)

2017年05月01日

新しい憲法を制定する推進大会 安倍総裁あいさつ(全文)

 皆さま、こんにちは、安倍晋三でございます。ただいま内閣総理大臣・安倍晋三とこういうご紹介いただきましたが、本日は自民党総裁の安倍晋三としてここに立っておりますので、念のため申し上げたいと思います。憲法施行70年の節目の年に推進大会がかくも盛大に開催されたことを心からお喜び申し上げる次第です。

 60年の節目にあたっても内閣総理大臣でしたが、この年ようやく国民投票法が成立しました。憲法改正に向けた大きな一歩をしるすことができたと考えています。あれから10年がたち、18歳投票権など3つの宿題も解決された中にあって、憲法改正の国民的な関心は確実に高まっている。かつては憲法に指一本触れてはいけないという議論すらもありました。しかし、もはや憲法を不磨の大典だと考える国民は非常に少数になってきたと言ってもいいのではないでしょうか。

 いよいよ期は熟してきました。今求められているのは具体的な提案であります。もはや改憲か護憲と言った抽象的で、そして不毛な議論からは私たちは卒業しなければいけないと思います。この国をどうするのか、わが国の未来へのビジョン、理想の憲法の具体的な姿を自信を持って国民に示すときです。そして、しっかりと結果を出していかなければならない。

 政治とは結果であります。自民党は谷垣(禎一)総裁の時代に憲法改正草案をまとめ、国民にお示ししました。これは党としての公式文書であります。しかし、私たちはこれをそのまま憲法審査会に提案するつもりはない。どんなに立派な案でも衆参両院で3分の2を形成できなければ、ただ言っているだけに終わってしまいます。ここにいる野党の福島(伸享衆院議員=民進党)さんもおられますが、皆さまにも賛成してもらえるようになれば、それは一番いいなとこう思っています。福島さんも今深くうなずいていただけたので、建設的な議論に参加していただけるものと期待しています。

 どんなに立派な案でも衆参両院で3分の2を形成できなければ、ただ言っているだけに終わってしまいます。政治家は評論家ではありませんし、学者ではない。結果を出さなくてはいけない。ただ立派なことを言うことに安住の地を求めてはいけない。結果を出すために汗を流さなくてはいけません。さらに国民投票で過半数の賛成を得なければ、憲法改正は実現できません。つまり、決めるのは国民であります。

 そうした現実を踏まえ、しっかりと結果につながる議論を憲法審査会で行う責任があります。憲法改正の機運が高まってきた今だからこそ、私たちは柔軟性を持って現実的な議論を行う必要があると考えます。私たち自民党は圧倒的な第一党として現実的かつ具体的な議論を憲法審査会においてリードしていく覚悟であります。それは立党以来、憲法改正を党是として掲げてきた自民党の歴史的な使命ではないでしょうか。

 70年前、日本は見渡す限り焼け野原でした。しかし、先人たちは決して諦めなかった。先ほど中曽根先生から大変力強いごあいさつをいただきましたが、中曽根先生をはじめ、多くの尊敬すべき先人たちが廃虚の中から敢然と立ち上がり、祖国再建のため、血のにじむような努力をされました。そして70年後を生きる私たちのために、世界第3位の経済大国、世界に誇る自由で民主的な日本を作り上げてくれました。

 私たちもまた先人たちにならい、この節目の年にあたり、今こそ立ち上がるべきときです。私たちの世代に課せられた責任をしっかりと果たさなくてはなりません。次なる70年、私たちの子や孫、その先の世代が生きる日本の未来をしっかり見据えながら、大きな理想を掲げ、憲法改正、そして新たな国造りに挑戦していこうではありませんか。

 少子高齢化、厳しさを増す安全保障情勢。平和で豊かな日本をどうやって守っていくのか。私たち全員が顔をあげ、その視線を未来に、そして世界に向けていく必要があります。足下の政局、目先の政治闘争ばかりにとらわれ、憲法論議がおろそかになることがあってはいけません。憲法を最終的に改正するのは国民です。しかしそれを発議するのは国会にしかできません。私たち国会議員はその大きな責任をかみしめなければなりません。

 そうした意味で、本日、民進党、公明党、日本維新の会、そして日本のこころからも代表の方々が参加されていますが、憲法改正を実現する上で、党派の違いを超えて国会議員が集う新憲法制定議員連盟が果たすべき役割は誠に大きいものがあります。皆さんとともに手を携えて憲法改正という大きな目標に向けて、この節目の年に必ずや歴史的一歩を踏み出す。そして、先ほどごあいさつされた中曽根元首相は、中曽根首相としての世代の役割を果たして、今度は私たちの番であります。必ず皆さんとともに、私たちが目標として掲げてきた新しい憲法を作っていくことを全力を傾けて、その目標に向かっていくことを自由民主党総裁としてお誓い申し上げまして、私のあいさつとさせていただきます。皆さん、一緒に頑張っていきましょう。

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